研究背景
穿刺手術治療は従来の外科手術に比べ, 患者にかかる肉体的・精神的負担が少ないことから医療の現場で幅広く行われている.
しかし, 穿刺中に軌道がずれることがあり, 患部に針先を正確に到達させることは容易ではなく, 術者は高度な技術を要する.

研究目的
一般的に高解像度ボリュームモデルが必要となるが, このようなモデルはデータ量が多く,穿刺シミュレーションを行うには計算コストも高くなり,
インタラクティブなシミュレーションを高速に行うことは困難である.本研究では術前に若手医師が訓練することを目的とした穿刺シミュレータの構築を目指す.
手法
穿刺手術では臓器変形は全体にまで及ばず, 針周辺における局所部分のみが変形することに着目し, マルチレートに変形計算部分を更新することによって
高速な穿刺シミュレーションを実現する. さらに穿刺反力を計算することにより, 現実に近い穿刺シミュレーションを実現する.
結果
・穿刺シミュレーション

・計算コスト比較
・穿刺反力生成シミュレーション

・穿刺シミュレーションの様子

メンバー
研究業績
- ○山下裕礼, 高間康文, 山口 哲, フインクアンフイヴィエト, 田中弘美: "ボリュームデータの動的アダプティブグリッド生成", 研究報告「コンピュータビジョンとイメージメディア」, CVIM-154, 2006.
- ○Hironori Yamashita, Yasufumi Takama, Satoshi Yamaguchi, Hiromi.T.Tanaka: "Real-time Adaptive Grid Model for Needle Insertion Simulation", Proc. of 13th Japan-Korea Joint Workshop on Frontiers of Computer Vision, H-13(N034), Busan, Korea, January 25--27, 2007.
学会発表
- ○日本バーチャルリアリティ学会第13回全国大会, 奈良先端科学技術大学院大学, 2008/9/25, オーラル発表(藤井)
- ○The Fourth Joint Workshop on Machine Perception and Robotics (MPR 2008), 北京大学, 2008/11/7, ポスター発表(藤井)
- ○健康創造研究会, 2008/12/15, ポスター発表(藤井)
- ○情報処理学会第71回全国大会, 立命館大学, 2009/3/10, オーラル発表(藤井)